私がWordPress関連の「100%GPL」プロダクトをクライアントワークでも推奨する理由

WordPressを利用してビジネスをするのであれば、知っておかなくてはならないのがライセンスです。

Web制作を受注している側はもちろん、クライアント側にも関わってくるケースがあるため、ないがしろにしてはいけない部分になっています。

基本的な部分に関してはZennの方に投稿してあるのでそちらを参考にしていただければと思います。

ここでは、私がなぜ「100%GPL」のプロダクトを推奨して利用しているのかをご紹介します。

目次

クライアントワークにおける「100%GPL」プロダクトの利点

WordPressコミュニティが推奨しているからという理由ではなく、クライアントワークとしてもメリットがあると考え、クライアントワークでも推奨をしています。

ライセンスの遵守と法的リスクの回避

当たり前ですが、ライセンスは遵守されなければなりません。
ライセンス違反は法律問題となります。「制作で利用したプロダクトがGPL違反をしていて利用できなくなりました」ということになったら、クライアントは早急にWebサイトを作り直さなくてはならないことになります。

また、そのようなプロダクトを利用していたということ自体がクライアントの信用問題につながるということもあります。

そのようなリスクをできる限り回避するためにも「100%GPL」のプロダクトはメリットがあると言えます。

自由であることと柔軟性

スプリットライセンスのプロダクトはプロダクトによって改変ができる部分や二次利用できる部分が異なります。

ライセンスを遵守し法的なリスクを回避するには、プロダクトによってそれを把握しておく必要があるため、管理コストがとてつもなく上がります。

PHPでカスタマイズできる部分に関してはスプリットライセンスでもGPLが適応されますので、問題は起こりにくいかと思いますが、それでも利用規約などは把握していたほうが望ましいと言えます。

「100%GPL」であることがわかっているプロダクトであれば、自由に改変でき柔軟な対応が可能なため、これらの心配をする必要は最低限で済むと言えます。

コミュニティとの連携と持続性

個々に販売されているような有料テーマやプラグインでも「100%GPL」のものがあり、それらを利用・推奨することで販売者のビジネスが継続でき、より便利でより安全なアップデートを期待することができます。

「100%GPL」のプロダクトを開発しているということは、少なくともWordPressのコミュニティに理解があるということになると考えていますので、より密な連携をとったりMeetupやWordCampなどで直接お話を聞ける機会も取ることができます。

Webサイトを制作する際に自由で柔軟で安心できるものが持続的に利用できるという環境は、クライアントにもWebサイトを運用する上で非常に大きなメリットであると言えます。

ちょっとした実例

こちらの相談を受けた際の調査で、利用しているテーマがスプリットライセンスのものであると判明しました。

前開発者は利用規約やライセンスに関して「知らなかった」ようで、テーマを直接書き換えるという方法で納品されており、その利用されていたテーマはWeb制作としてカスタマイズするためには別途ライセンスが必要なものでした。

そのため、納品されたそのWebサイトは利用規約違反で作成されたものの可能性があり、販売元の判断によってはWebサイトの停止を求められる可能性があるということもお伝えしました。

まとめと今後の展望

WordPressは誰でも自由に利用できるから便利!というのはその通りなのですが、守らなくてはならないライセンスが存在することは知っておかなくてはなりません。

WordPressやテーマ・プラグインをより自由に利用できることが望ましい世界だと思っていますので、「100%GPL」を推奨する立場は今後も変わることはないでしょう。

とはいえ、スプリットライセンスのものを否定するということはありません。

今回挙げたように、ビジネス的にもメリットがあるということを知っておいていただければと思います。

追記:「推奨」という言葉について

推奨というのは強くオススメするという意味合いです。これでなくてはならないという強い拒絶を示したものではありません。

もちろん上に挙げた実例のように、相談・調査した結果スプリットライセンスのプロダクトが利用されているということもあるでしょう。

そのような場合でも、こういう懸念がありますよということを伝え、ライセンスや利用規約の確認を促し、そのプロダクトを利用しない形に変更をオススメするということを提案します。
その結果、そのまま利用するということであればそれはそれで問題はありません。