WordPressのサーバー移転・引っ越しの見積もりと提案の際に考えていること

WordPressのサーバー移転・引っ越しが必要になるケースは多々あります。
これをメインにしているサービスもあり、何が違うのか、何をしているのか、どうして見積もり金額がこんなにも違うのか、がわかりにくいかと思います。

今回は、私が詳細な見積もりや提案をするときにどのように考え、何をポイントにしているのかを紹介します。

目次

サーバー移転・引っ越しの方針

大事なのは移転・引越し先のサーバーでのWordPressの運用が滞りなく快適に行われることであり、そのまままるっと移転するということではありません。

そのため、定期保守・メンテナンスも提案として含めますが、予算や運用方針も含めて感上げていただければと思っています。

必要な情報

詳細な見積もりや提案に必要な情報は以下のとおりです。

  • WordPressの管理者権限のアカウント情報
    • WordPressのバージョン
    • 利用しているプラグイン
    • 利用しているテーマ
    • 現在の利用環境PHPのバージョン
    • 現在の利用環境のMySQLのバージョン
    • 独自カスタマイズの有無と箇所の把握
  • 現在利用しているサーバーのコントロールパネルに入ることができるアカウント
    • 利用サービスの把握(メールやドメインなど付随するサービスを利用しているか)
    • SSHやSFTPの利用が可能か
    • SSL証明書の取得(可能な場合)
  • 引越し先のサーバーの希望

ここで個人情報や機密情報にあたるアカウント情報を共有していただくことになるため、無料では対応ができません。
基本的には現状把握のための情報となります。

それぞれの情報をもとに何を考慮するのか

取得できた情報をもとにしてそれぞれ何を考えているのかを項目ごとに紹介します。

WordPressのバージョン

最新のWordPressに近ければ近いほど工数はかからないと考えます。

比較的新しいバージョンであれば、そのまま移行を行っても問題が起こりにくいですが、作成されてからアップデートを行ったことがないようなWordPressだと、移行時に不具合が起こる可能性が高く、修正を行う必要が出てくるため、その分の工数を考慮します。

利用しているプラグイン

プラグインの数や機能、アップデートされているかどうかなどを調査します。
また、インストールされているプラグインも一つ一つ調査し、最新バージョンでテストが行われているか、アップデートが提供されているか、有料の場合ライセンス形態はどのようになっているかなどの調査も行います。

高機能なプラグインの数が多ければ不具合が起こる可能性が高いと考えられますし、機能が被っているものや必要ないものは削除提案も可能です。
アップデートの提供が止まっているものに関しては代替のプラグインの提案もすることができます。

利用しているテーマ

オリジナルテーマなのか、既存テーマをそのまま利用しているのか、子テーマにしてカスタマイズしているのかによって大きく異なります。

オリジナルテーマ

オリジナルテーマの場合は基本的に工数が上がります。
特に functions.php にプログラムが大量に書かれているような場合や page-***.php のような形で、固定ページごとにPHPファイルが作られているような場合はそれだけ修正する可能性が高くなるため、どんどん工数が上がります。

また、特定のプラグインを利用していないと動かない関数がそのまま利用されているような場合もプラグインを無効化した時点でテーマでエラーが発生するため、プラグインの変更などを行う際に大きな修正をおコアぬ必要が出てくるため、修正にかかる工数がとても大きくなります。

既存テーマをそのまま利用

利用している既存テーマがどういうものなのかの調査を行います。
WordPress.org からインストールできるものなのか、有料のプロダクトとしてどこか別のサイトで扱われているものなのか、そうであればその利用規約やライセンスはどのようになっているのかなどまで調査します。

場合によってはWebサイトとして納品された時点でライセンスや利用規約違反になっているものもあり、その場合は速やかにライセンス契約していただくか、フルリニューアルという提案をさせていただき、どちらも難しいという場合は、この時点で作業できませんとお断りさせていただく形となるかと思います。

ライセンス上問題なく最新版が利用できる環境にあるかどうかはとても重要です。

既存テーマの子テーマを利用

子テーマを利用してカスタマイズされている場合、まず元のテーマがどのようなものかの調査をします。
その上で、子テーマでどのようなカスタマイズがされているかの調査を行います。

調査内容はオリジナルテーマと既存テーマ利用の場合と同様になり、カスタマイズが多ければ多いほど工数が大きくなるものと考えていただいて問題ありません。

現在の利用環境

PHPやMySQLのバージョンもチェックします。
基本的に移転先サーバーは最新の環境に整えるため、現在の利用環境が古いものだと移行先で不具合が起こる可能性が高くなります。

プラグインやテーマが最新のPHPに対応していない場合もあるため、プラグインは代替のものをテーマの場合はリニューアルの提案を行うことになるかと思います。

リニューアルになるという場合、いったん移行先でも古いPHPで動作させるということもあるかと思いますが、あくまで一時的な措置ということを理解していただいた上での対応となります。

独自カスタマイズの有無と箇所

テーマがそもそもオリジナルであるもの、子テーマ、独自プラグイン、WordPress範囲外の静的ファイルなどカスタマイズが行われているのか、行われているととすればどのような構成なのかなどを一つ一つ見ていきます。

アップデートしていくことを前提として運用に問題ない形でカスタマイズされているような場合は、特に問題はありませんが、そこまで考慮されていないカスタマイズがなされているような場合は不具合が起こる可能性があり、その修正に工数がかかることが予想されます。

現在のサーバーのと利用サービスの把握

現在どのサーバーを利用していて、どのようなサービスを利用しているのかを把握します。

メールを利用している場合、メールサーバーの移行もおこなうのか、そのまま利用し続けるのかによってやらなければならないことが大きく異なります。

ドメイン管理サービスも同じサービスだと、そのまま利用するか移行の際に別途管理サービスに移転するのかも考える必要が出てくるでしょう。

また、SSHが利用できるかどうかSFTPが利用できるかどうかで、移行の手法を変更する必要が出てくる可能性もあります。

SSL証明書の取得

サーバーの移転・引っ越しの際にSSL証明書も移転する必要が出てきますが、利用しているサーバーのサービスによってはそれが不可能な場合もあります。

そのような場合、別途SSL証明書の取得を行うか、移転時に若干のダウンタイムを設けて無料SSL証明書の取得設定を行うかなど、考える必要が出てきます。

移行先サーバーの希望・選定

このサービスがいい、このサービスはだめ、などの希望もあるケースがあるため、必ず聞くようにしています。

レンタルサーバーだけでなくクラウドやVPSも視野に入れると選択肢も多くなってくるため、保守・メンテナンスのことも考慮して提案を行うようにしています。

サーバーを選ぶ基準に関しては別途記事を書いてあるので参考にしてください。

Webサイトの現状や今後の展望などを含めてサーバーの提案もおこないますので、

どこに差が生まれるのか

ここまで書いてあることを行うには、それなりの知識と経験が必要になってくるのは理解いたただけるかと思います。

技術や知識は数値化されているものではないため、何を基準にしていいのかわかりにくいですが、以下のような部分に大きな差が出てきます。

  • 不具合が出そうな箇所の察知能力
  • 不具合が発生した際の対処能力
  • 不具合が起こりにくい作業を行うことができる対応能力
  • WordPressや周辺環境に関する知識

要するに作業をスムーズに進め、その後の運用も快適にできるようにするための部分で大きな差が出てくるかと思います。

まとめ

私は今回紹介したとおりのことを考慮していますが、「WordPressのサーバー移転・引っ越し」と言ってもサービスによってどこまで考えているのか、どこまで対応してくれるのかは大きく異なります。

サービスを利用したりクラウドソーシングなどで依頼する際には、どこまで考慮されているのかも確認したほうがいいかもしれません。

何よりも重要なのは「WordPressの運用が滞りなく快適に行われること」であることは常に考えて対応を行っています。